勝五郎の読書雑記

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レディ・ジョーカー

高村薫 (著)
★★★☆☆
内容(「BOOK」データベースより)
人質は350万キロリットルのビールだ―業界のガリバー・日之出麦酒を狙った未曾有の企業テロは、なぜ起こったか。男たちを呑み込む闇社会の凄絶な営みと暴力を描いて、いま、人間存在の深淵を覗く、前人未到の物語が始まる。

「城山は、自分の前に立ちはだかった若い刑事の顔を何度も思い浮かべながら、相手に戦略がなかった分、自分に向かってきたのはほとんど人間の心の塊のようだったと思った。三十六年の企業人生の中で、いや五十八年の人生の中で、あまり体験した記憶のない生身の人間そのものが、自分の前にいるようだった、と。」

これは中巻の後半に出てくる、読んでいてすごくカッコイイなと思った文章である。この部分だけではなく、文章自体に惚れ惚れする箇所がたくさんあり、高村薫という女性の小説家がこのような文章を書く人だったんだということが判ったのは今回の読書の収獲のひとつだった。
物語といえば、非常に巧みに構成されていて、後半の城山と倉田、合田と半田の対決も鬼気迫る物があったが、最後の最後の締め方に納得がいかなかったのが残念だった。
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by furomikan | 2015-01-25 18:01 | 読書雑記 | Comments(0)