勝五郎の読書雑記

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スリープ

乾くるみ (著)
★★★★☆
内容(「BOOK」データベースより)
テレビ番組の人気リポーター・羽鳥亜里沙は、中学卒業を間近にした二月、冷凍睡眠装置の研究をする“未来科学研究所”を取材するために、つくば市に向かうことになった。撮影の休憩中に、ふと悪戯心から立ち入り禁止の地下五階に迷い込んだ亜里沙は、見てはいけないものを見てしまうのだが。どんでん返しの魔術師が放つ傑作ミステリー。

先日読んだ「セブン」が面白かったので、早速、乾くるみ氏の2冊目にとりかかった。
ハインラインの「夏への扉」と同じく冷凍睡眠もののミステリーで、文句なく楽しめた。
著者が予測する30年後の未来の中に描かれていた変装用マスクや衣類の瞬間乾燥装置なども面白い。
亜里沙の自宅が京急の梅屋敷駅近くになっているのも嬉しかった。
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by furomikan | 2014-07-28 23:59 | 読書雑記 | Comments(0)

セブン

乾くるみ (著)
★★★★★
内容紹介
「――というわけで、うちの寿命の三年と九ヵ月を遣うて、本格的なデスゲームが楽しめるように舞台を整えさせてもらいました」 私立曙女子高等学院の生徒会室に集まった七人の生徒たち。生き残りをかけて互いを出し抜く頭脳戦がいま、始まる・・・・・・! ? 一見シンプルなトランプの数当てゲームが、裏の裏を読む心理バトルへと変豹する「ラッキーセブン」ほか、ロジカルな企みに満ちた七つの物語。トリッキーな作品世界に、二度ならず三度四度と繰り返して読んでしまうこと必至の短編集!

【目次】
1. ラッキーセブン
2. 小諸―新鶴343キロの殺意
3. TLP49
4. 一男去って……
5. 殺人テレパス七対子
6. 木曜の女
7. ユニーク・ゲーム

1. ラッキーセブン
急に命を賭したドランプゲームをしなければならなくなった女子高生の「悲哀」・・・は全くなく、それぞれが全知をかけて戦う様子をカラリと、且つ理系特有(著者は静岡大学理学部数学科卒業)の丁寧な記述で描き出し、私を楽しい読書の世界に引き入れてくれた。

3. TLP49
ストーリーのルールが解れば、後は結末まで一気に疾走するのみの痛快な名短編。

4. 一男去って……
ブラックテイストな超短編。
他人事を説明するような淡々とした文章が好き。

7. ユニーク・ゲーム
1つ目の「ラッキーセブン」と登場人物・場面は全く異なるが、同じような(ライヤーゲームのような)テイストが漂うゲームを展開していく短編。(ラッキーセブンは相手は敵で、ユニーク・ゲームは相手は味方であるのが正反対。)
「ラッキーセブン」も「ユニーク・ゲーム」もともに単純なルールなゲームだけに、相手との心理戦が激しい。


今回は久しぶりの5つ星(★★★★★)。
「乾くるみ」という名前から女性かとおもったら、50歳の男性だった。
すぐに図書館で別の本を予約した。
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by furomikan | 2014-07-25 23:59 | 読書雑記 | Comments(0)

金を払うから素手で殴らせてくれないか?

木下古栗 (著)
★★☆☆☆
内容紹介
「おい鈴木、米原正和を捜しに行くぞ」とその米原正和が言った──。失踪した米原正和の行方を、当の米原とともに追う鈴木。会社を休んで、米原の自宅、立ち寄り先を米原をともに捜す。果たして、米原は見つかるのか?

面白いという人もいるような気はするが、全く「木下古栗ワールド」には入り込めなかった。
民宿雪国」のように読んでいて不快にならなかっただけマシか。
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by furomikan | 2014-07-23 23:59 | 読書雑記 | Comments(0)

美談の男―冤罪袴田事件を裁いた元主任裁判官・熊本典道の秘密

尾形誠規 (著)
★★★★☆
内容(「BOOK」データベースより)
私は無罪を確信しながら死刑判決を言い渡した―。39年前の過ちを自ら告白した元エリート判事の転落と再生。

先月読んだ「裁かれるのは我なり―袴田事件主任裁判官三十九年目の真実」では熊本氏の「陽」の面を中心に描かれていたのに対して、今回のこの本ではどちらかと言うと「陰」の面に比重を置いて書かれている。
熊本氏の同居中の女性、支援者、長男、長女、司法修習同期生に加えて、袴田氏の姉の秀子さんにまで取材をして書かれており、非常に読み応えがあった。袴田事件に関する図や写真も多く、良書と感じた。
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by furomikan | 2014-07-20 11:44 | 読書雑記 | Comments(0)

亜米利加ニモ負ケズ

アーサー ビナード (著)
★★★☆☆
ガイジンだから見えるニッポンのかたち。日本にいるから気づくアメリカの不思議。言葉の壁、国境を越えよう! 知恵袋エッセイ集。テレビ、ラジオでも活躍。
日本語を愛するアメリカ人、アーサー氏。その多言語的な視点で眺めれば、世界の新鮮な姿が浮かび上がる。賢治の「雨ニモマケズ」の元ネタを発見!? “アメリカン”なラーメンの正体とは。一番好きな日本語はあのセリフ。詩のみならず、短歌や能、落語などに深く精通し、母国の暴走と日本の迷走を心配する……。溢れ出す知識とピリ辛のユーモアが好奇心を刺激する、贅沢なエッセイ集。

東京に半年いてた間、朝、ラジオでよく文化放送の「吉田照美 ソコダイジナトコ」を聞いていた。
週に一回、日本語のうまいガイジンさんがゲストで出ていて、それがこの人だった。それでこの本を読んでみたくなった。

ロサンゼルスにある映画の都ハリウッド(Hollywood)の漢字表記は「聖林」なので、ずっと「holly=聖なる」と思っていたのに、これは実は誤訳が定着しただけで、本当は「holly=ヒイラギ(柊)」、「聖なる=holy」だということをこの本を読んで知った。

軽いエッセイが中心の本の中で一つだけいい話があったのが、小学生の時の先生の話。一度も褒めてくれなかったけど、今思うと一番生徒のことをよく考えてくれていた女の先生がいたという話で、少し胸が熱くなるエピソードだった。
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by furomikan | 2014-07-06 23:59 | 読書雑記 | Comments(0)

13階段

高野和明 (著)
★★★★☆
犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。

何気なく選んだ本だったが、思いの外すごく面白かった。
一つ前に読んだ本と同様に冤罪を扱った小説で、いろいろな人の思いが絡みあって、意外な展開もあり、久しぶりに読書を楽しんだ。
死刑執行の最終判断をするのが法務大臣なのは知っていたが、それまでに12人が署名・押印して決裁し法務大臣が13人目であることは初めて知った。
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by furomikan | 2014-07-05 10:58 | 読書雑記 | Comments(0)