勝五郎の読書雑記

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切腹(1962年/小林正樹監督)

本日(2011年10月30日)、NHKのBSプレミアムで夜10時から放映される予定。
ベラボーに面白い映画なので皆さん是非見てください。

「面白い」といってももちろん笑う映画ではない。
すべてを失った津雲半四郎(仲代達矢)の激烈な復讐劇。
少々エグい場面もあるが、今年見た一番の映画となるでしょう。
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by furomikan | 2011-11-30 07:37 | その他 | Comments(2)

碇星

吉村 昭 (著)
★★★☆☆
内容(「BOOK」データベースより)
暮れゆく人生に浮かぶ、ひとすじの光芒―。人は佇み、見つめ、そしてふたたび歩みつづける。葬儀に欠かせぬ男に、かつての上司から特別な頼みごとが…。表題作ほか、生と死の意味を慈しみこめて描く全八篇。

短篇八篇のうちの二篇(花火・光る干潟)は自伝的内容。
吉村氏は長篇小説と次の長篇小説の執筆の間にこのような短篇を執筆するようにしているという。長篇小説を書いた後のニ・三ヵ月は放心状態になり、次の長篇を書く活力を回復させるリハビリ的な目的で。

事実を追い求めて神経をすり減らすような取材を徹底的に重ねて描き上げる氏の長篇とこの本にあるような短篇は向いている方向がほぼ反対だと思っていたが、何故かこのことを読んで少し納得した。

ちなみに「碇星」とはカシオペア座のことと書いてあった。
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by furomikan | 2011-11-29 22:19 | 読書雑記 | Comments(0)

銭湯 (NHK美の壺)

NHK「美の壺」制作班 (編集)
★★★☆☆
内容(「MARC」データベースより)
銭湯とは無類の風呂好きである日本人が生み出した独特の文化。古きよき銭湯には、生活の場に息づいてきた美の世界がある。その魅力を味わう3つの「ツボ」を案内する。NHKテレビ番組「美の壷」を書籍化。

写真がたくさん載っていて楽しい。
大体の人はこの本を見るとお風呂屋さんに行きたくなるんやないかな。
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by furomikan | 2011-11-25 22:27 | 読書雑記 | Comments(0)

斉藤湯(東京都荒川区東日暮里)

仕事を終えてまっすぐに向かったのが日暮里の斉藤湯
ここに「日本最後の三助」がいるということをついこの9月に知ったのでこの機会に行かなアカンと思い一昨日行ってきた。
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「日暮里」の文字がいい。
日暮里にあることが自慢であると宣言している。
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通常の入浴料の450円の他に流しの費用400円の合計850円を支払うとこういう札を渡される。
これを手にしただけでちょっと嬉しい。
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フロントのおっちゃんに「流しを頼まれる人は多いんですか?」と聞くと
「今ね、ちょうど一人やってもらってるから、ちょうどいいですよ」とおっちゃん。
でも私は「ゆっくりと入ってから流しをしてもらいたいので、だいたい1時間後くらいにしてもらえますか?」というと、
少しケゲンな表情してから「じゃあ中に入ってから直接バントウさんに言ってください」と言った。
「え?バントウさん?バントウさんって流しのおっちゃんのことです?」
「そう、三助さんのこと」
「へ~、バントウさんって言うんですか?」
「うん、名前はタチバナさんて言うんですけどね、バントウさん」
と言った直後、男湯の中に入って行かれた。
直接伝えるように言われたが、おっちゃん、わざわざ伝えにいってくれたんやと思い、やっと脱衣場へ。

このブログにいろんな写真を載せようという考えがあるのでお風呂屋さんに入っても神経が休まらないのがとても悲しい。
必死でこういう写真を撮っているケナゲな私。
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バントウさんの絵も掛かっていた。
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インターネットなどで調べるとこの銭湯の建物自体はレトロでもなんでもないとのことだったので、流しの体験以外は何も期待はしていなかったが、フト見るとすごく立派な庭があることに気づいた。
あとでここで読書をしようと考え、本とメガネを脱衣場の隅に置いておく。

そんな準備を怠りなく済ませてからやっと浴室へ入り、富士山のペンキ絵のない壁を見ながらしみじみと湯船に浸かった。
正面の壁は小さな色タイルで構成された長方形を基本にしたモダンな幾何学模様だった。
洗い場の方を向くとまだ三助のおっちゃんがお客さんにマッサージをしている。
わりかし長い。とても気持ちよさそうだ。でも俺はまだすぐにはやらないぞと思いながら、熱くなってきたので湯船を出て体をザッと拭いてさっき見た脱衣場の庭に向かった。
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ここで本を取り出して読む嬉しさを一人で噛みしめる。
肌寒くなってまた湯船に浸かろうと浴室へ戻るとバントウさんが順番が来たので始めようという。
「いや、まだ僕、ちょっとゆっくりしてからの方がいいので、あと20分ぐらいしてからお願いします」
「あっ、そう?」
「後でもいいですか?」
「ハイハイ、じゃああとでね」
と、それから再び湯に浸かってからまた庭で読書。
(さっきの風呂屋のおっちゃんは何をしに男湯に入っていかれたのだろう。)

小さな池には鯉が泳いでいて、長椅子の下には鯉のエサが入った筒。
読書をしていると脱衣場にいる客が私を呼んでいる。その人はバントウさんが私を探しているのを見て声を掛けてくれたようだ。

そろそろ流しをやって欲しいなと思っていたので丁度良かった。
でも体が冷えていたのでもう一度湯に浸かってからサービスを受けたいと思ったがバントウさんを待たせて悪かったという思いがあるのでカランの前の用意されたイスに座った。
大ベテランのバントウさんは優しい。
「一回湯にお入んなさいよ」と私の心を見透かすように湯船を勧めてくれた。
ワクワクしながらゆったりと湯に浸かっていたが、またもやバントウさんを待たせていることに気づいた。

とうとうやってきた生まれて初めての流しの体験。
私の石鹸を使って泡立てたタオルで背中・頸・腕を丁寧に洗ってくれる。
何度も洗ってくれたあとに大きなタライに満たしておいたお湯でザザーッと泡を流してくれた。
それから肩にタオルをかけて今度はマッサージ。頸・肩・背中・腕・指を順番に何度も何度も繰り返して揉みほぐしてくれる。
いつも肩が凝っているので本当はもっと強めに揉んで欲しいが、大ベテランのバントウさんに注文などようしなかった。
頼りない強さだと思いつつも、10分ほどマッサージをしてもらううちにゆったりとアホ顔になりうっすらと肩コリも解消されてきた感じになる。
いろいろと話しを聞きたかったが面倒くさい客の相手をさせるのも気が引け、丁重にお礼を言ってバントウさんのサービスを終えた。
いつまでもご活躍を。
※バントウさんは2013年末に引退され、日本の銭湯の三助さんは絶滅となった。(2014年1月追記)
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先に洗っていた頭・顔とバントウさんに洗ってもらた部分以外の残りの体を洗い、最後に再びゆったりした気分で深く熱い湯に浸かり上がる。
脱衣場を出てフロントに行くとおっちゃんから今度はオカミさんに代わっていた。
今日はこの銭湯に入るのを楽しみに大阪からやって来たことやバントウさんの流しを受けられて嬉しかったことを伝えた。
「お客さん、さっき電話してこられた方?」
「そうです。もしもお風呂が開いてても、流しが受けられなかったら残念なので・・・」
それから「バントウさん」というのは手代・番頭のあの「番頭」であることを質問・確認した。
流しのサービスを受けるのは男性10名に対して女性が3名くらいの割合であることも聞き、意外と女性がこのサービスを受ける割合が多いことに驚く。
再度お礼を言って自動ドアから出た。
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それからも変わった傘入れや暖簾の裏側の写真をもたもたと撮っているとさっきのオカミさんが出てこられて、斉藤湯のネームの入った桃色のタオルをひとつお土産にくれた。
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オカミさんの親切に驚き、またタオル一枚もらっただけで大人がこんなに大喜び出来るものかと自分に呆れつつ斉藤湯を出た。
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この日は先日一緒に伊豆自転車旅行に行った友達にも会って飲み、実に楽しい一日だった。

明日11/25(金)は朝8時からBS-TBSで「銭湯日和」という番組が放映される。
今朝は一昨日入った燕湯の富士のペンキ絵の話題で、明日は斉藤湯の番頭さんが出てくるだろう。
さらに京都銭湯界の重鎮林宏樹氏も登場するようだ。
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by furomikan | 2011-11-24 21:40 | 銭湯 | Comments(3)

燕湯(東京都台東区上野)

久しぶりに東京へ行く機会があった。
せっかくなのでちょっと早めに大阪を出て燕湯の朝風呂に入ってきた。
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前に入ったときは確かもっと湯が熱かったのに今回はどちらの湯船もそれほど熱くなくて少し残念だったが、久しぶりの東京の銭湯で、富士山のペンキ絵を見ながらの入浴だったので大きな喜びだった。
ペンキ絵以外の木の壁の部分は水色のペンキがきれいに塗られていて、そこを見ているだけでも飽きない。

滞在した小一時間で男湯だけで15名くらい入ってきただろうか。お客さんが少なければ脱衣場で写真を撮らせてもらおうと思ったが、まったくそんなことを言い出せるようなお客さんの少ない状況はやって来なかった。この調子でいつまでも繁盛し続けて欲しい。
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行きは御徒町駅から歩いてきたが、帰りは秋葉原駅に向かった。途中で剥製を作っている会社があった。
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気になったのでガラス戸から覗いてみると剥製だけでなく動物の骨もたくさんあり、戸を開けずに去ることが出来ず、用もないのに「見させてもらってもいいですか?」「どうぞ」と中に入っていった。
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ヒグマの脊椎や猿のガイコツなどもあり、「こんなん買う人いるんですか?」と今思えばかなり失礼な質問を店主にすると「買う人がいるから店においているんだよ」というようなことを笑いながら仰っていた。
猿の髑髏が欲しい人は是非このお店を訪れてみてください。
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by furomikan | 2011-11-23 23:51 | 銭湯 | Comments(0)

自転車の鍵

新しく買ったのは数字合わせでではなくローマ字で合わせるタイプで気に入っている。
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by furomikan | 2011-11-19 23:59 | 自転車 | Comments(0)

男どき女どき

向田 邦子 (著)
★★★★☆
人は毎日小さな感銘に助けられて生きている。最後の小説とエッセイを所収、人生の〈大切な瞬間〉を綴った作品集。
何事も成功する時を男時、めぐり合わせの悪い時を女時という――。何者かによって台所にバケツごと置かれた一匹の鮒が、やがて男と女の過去を浮かび上がらせる「鮒」、毎日通勤の途中にチラリと目が合う、果物屋の陰気な親父との奇妙な交流を描く「ビリケン」など、平凡な人生の中にある一瞬の生の光芒を描き出した著者最後の小説四篇に、珠玉のエッセイを加えた、ラスト・メッセージ集。

この人の本は何度か読もうと思ったことがあるが一冊の本を読んだのは初めて。
短編「鮒」と「ビリケン」は立派な衝撃を受けるほどの出来栄えで、向田邦子氏に畏敬の念を抱いた。

「一人暮らしを始めて、お婆さんのような姿勢でいる自分に気づいた」とか「人が見ていない所ではズルをしてしまう」とかの告白的なエッセイで誠実さをだそうとする誠実さがすんなり入ってきた。
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by furomikan | 2011-11-17 00:05 | 読書雑記 | Comments(0)

健康半分

赤瀬川原平 (著)
★★☆☆☆
出版社からのコメント
医療系フリーマガジン『からころ』連載中のエッセイ“病気の窓”23篇と書き下ろしイラスト25点を収録した贅沢な一冊。 装丁デザインは池田進吾(2009年度ブックデザイン賞)。

「トマソン」などの赤瀬川原平氏の活発な活動期の文章から比較すると驚くほどインパクトがなく、読んでいて寂しさがこみ上げてくる。ところどころにその往時の痕跡が伺えるが、この本は何とも物足りない。
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by furomikan | 2011-11-16 23:48 | 読書雑記 | Comments(0)

落語家のやけ酒、祝い酒

立川 談四楼 (著)
★★★☆☆
内容紹介
立川流のベテラン真打が書いた、自伝的エッセイ。
最初から最後まで、酒、酒、酒……。
小朝に抜かれ、同期にも弟弟子にまで抜かれ、立川流設立のきっかけとなった真打試験落選の夜。仕事欲しさに身体を張った日本酒大ジョッキ一気飲み。
いやはや、落語家は楽じゃない。
立派な飲ん兵衛になった顛末を自虐的に語り、これまでに目にした「すごい酔っ払い」たちの列伝に筆を走らす。
また、志ん生、文楽、小さん、馬生、志ん朝、円楽といった名人たちの粋な飲み方、たしなみ方を紹介する。

立川談四楼さんはすでに30冊以上も著書があり、語りかけるような書き方のエッセイが独特。
ムカつく主人にケンカをふっかけて鮨屋からつまみ出された話が面白かった。
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by furomikan | 2011-11-14 00:49 | 読書雑記 | Comments(0)

中島盛夫氏の銭湯のペンキ絵(大阪市東住吉区・みどり温泉)

今日、東住吉区の銭湯で浴場背景画絵師の中島盛夫氏が公開で作業をするというイベントがあったので、行ってきた。
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女湯に8年間掛けられていた富士の絵がこれ。写っているのは町田氏。
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これを中島絵師がパパっと描き変える。
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と、こうなった。
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男湯の絵は午前中に浴室内ですでに描き変えられていた。
それはこんな絵

今回のイベントは大変興味深かった。
「こんなとこに、そんな色入れて、何すんの!?」と思うような場面が幾つもあったが、すべて納得の決着となった。
個人でも浴室に飾る絵を注文する人がいるとのことだったので、中島氏にその場で発注した。
届くのが楽しみだ。

8年前の制作のようすをレポートしているサイトが残っていた。
http://moonspa.suppa.jp/fujisan.htm
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by furomikan | 2011-11-13 23:42 | 銭湯 | Comments(2)