勝五郎の読書雑記

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いちばん危険なトイレといちばんの星空―世界9万5000km自転車ひとり旅〈2〉

石田 ゆうすけ (著)
★★★★☆

この著者の本は以前に読んだ記憶があるが、文章はもう少し野暮ったかったような気がする。
しかし今回の本は文体にも好感が持て、何より興味深いエピソードがたくさん載っていたので非常に面白かった(特に後半)。

ペルーの高地でみた満天の星空の話、スコットランドの小さな村のパブの話、ユタ州の田舎のホスピタリティおばさんの話、旧ユーゴのボイヤンの話、シリアの親切なイスラム教徒の話など。
中でも、キルギスの道で2人のこどもとすれ違った時の何気ない場面の描写は、著者の豊かな感性を強く感じた。

家庭を持ってしまった今、私は彼のように奔放に世界を巡ることはできない。
いや、本当にできないか?本当にしたいのならできるのでは?などと自問しながら、ゆうべは寝た。
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by furomikan | 2010-08-25 22:58 | 読書雑記 | Comments(0)

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験

大鐘 良一 (著), 小原 健右 (著)
★★★★☆

すごく面白かった。

2008年に10年ぶりに実施された宇宙飛行士(=JAXAに就職)の募集。2009年1月に行われたその最終選考試験に密着取材したNHKの番組のディレクターらが書いた本。(そんな番組を放送していたとは・・・。)

「世界で一番魅力的な肩書き」を得るために最終選考に残った10人が苛烈なストレスの中でいろいろな試験問題に取り組んでいく様子を描いたもの。お薦めの一冊。
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by furomikan | 2010-08-23 23:12 | 読書雑記 | Comments(0)

グーグル秘録 完全なる破壊

ケン・オーレッタ (著), 土方 奈美 (翻訳)
★★★★☆

なかなか面白い。

スタンフォード大学出身のラリーペイジとサーゲイ(セルゲイ)ブリンという2人の若いグーグル創業者の生い立ちから、「グーグル世界本社」という看板をガレージの入口に掲げていた創業期、強烈な性能の検索エンジンの開発、でも安易なディスプレイ広告を拒否しているために収入がない初期のグーグルについての記述から始まる。

その後、今も稼ぎ頭である「アドワーズ」「アドセンス」というグーグルの画期的な2大製品の開発と莫大な収入、プロのCEOであるエリックシュミットの導入と株式公開。

「邪悪になってはいけない」という会社のポリシーを掲げつつも、巨大な影響力を持ってしまったために避けられなくなってきたマイクロソフト・ヤフーといったソフトウェア企業や大手メディア・広告業界・コンテンツ産業界との競争・対立、ユーチューブ買収、米国政府や中国政府とのやり取りなどを、シュミット・ペイジ・ブリンなどに対する150回もの取材を元に描ききったメディア論の大作。

神の影響力を持つのではないかと心配するほどの躍進を見せるグーグルも、ユーチューブ・携帯電話OSアンドロイド・クラウドコンピューティング・クロームブラウザなどで稼ぎを出していくビジネスモデルはまだ未完成ということで少し安心だが、本書は次の一文で終わる。

「しかしこのことだけは間違いなく言える。グーグルの日々弾きだす三十億件にものぼる検索結果、蓄積した約二四ペタバイト(二・四京バイト)のデータ、そして電子化する予定の二千万冊以上の本。そのどこを探しても、メディアの地平をこれほど急激に揺るがした企業はほかにない。」
※キロバイト<ギガバイト<テラバイト<ペタバイト

「ユーザーの役に立つことこそが目標」といいつつも、プライバシー権・著作権を無視するような傲慢さや技術楽観主義などの一面を隠そうともしない若いこの会社が今後どのようになっていくのか、目が離せない。

しかしこの夏は暑すぎて読書が捗らん。
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by furomikan | 2010-08-21 15:39 | 読書雑記 | Comments(0)

1日100キロ超えをめざす実践的サイクリング

のぐち やすお (著)
★★★☆☆

ベテランのサイクリストによる、初心者向けのツーリングいざない本。
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by furomikan | 2010-08-05 22:22 | 読書雑記 | Comments(0)

桐島、部活やめるってよ

朝井 リョウ (著)
★★★★☆

感覚一本で書き上げた作品だろう。
パワフルな欲求から生み出された、若く瑞々しい表現が全編を通して鏤められており、読んでいて気持ちがよかった。車谷長吉の描く世界と正反対だ。
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by furomikan | 2010-08-02 23:52 | 読書雑記 | Comments(0)