勝五郎の読書雑記

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事件現場清掃人が行く

高江洲 敦 (著)
★★★☆☆

自殺や孤独死をしたあとの発見が遅れて、遺体から血液や体液が流れ出ると、その部屋は大変なことになるらしい。その部屋の汚れ・臭いを取り除き、現状回復させるという業務をを専門に請け負っている沖縄県出身・1971年生まれの男性の著書。

最初のエピソードを読んだあと、その後を読み進めようかどうか迷うくらいの描写があった。実際1週間以上間をおいて再び手に取ることができたが、その後はさらにえげつないエピソードはなく、すんなり読み進められた。

確かにこのような事を専業にするほどの需要は、特に高齢者の独居が進んでいる東京では十分あることがわかり、その役目を誰かが請け負わないといけないこともわかるが、これを生業にすることは納棺師以上に決心が要るだろうと感じた。本心に「感謝追求」という芯となる気構えがないとできない仕事だろう。
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by furomikan | 2010-06-28 08:36 | 読書雑記 | Comments(0)

万年前座僕と師匠・談志の16年

立川 キウイ (著)
★★★☆☆

読む前まではもっといい加減な人なのかと思っていたが、彼は彼なりにすごく悩みもがいていたんだと分かった。

自分で書いていたように「自分はとても甘い人間だ」ということを自分でよく理解しているものの、その反動力が落語の稽古に向かっている様子がまったく書かれておらず、まさに程ほどにしか稽古していなかったんではないかと感じた。(それがために前座を16年も務めなければいけなかった!) 同い年(=学年が同じ)の立川談春の著書『赤めだか』ではもっと落語にまっしぐらに向かっていく姿が描かれていたのとは対照的。(『赤めだか』は森田芳光監督の名作『の・ようなもの』で描かれていた青春ドラマ的な風合いが強く伝わってきて、小説を読んでいるような感じがしたが、立川キウイの今回の本はただの"ダメダメ日記"という印象だった。) でも、師匠である立川談志について愛情たっぷりに書いているのは両者共通。

この『万年前座僕と師匠・談志の16年』がよく書けているとして、来年真打昇進が決定したというのはちょっと驚き。
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by furomikan | 2010-06-26 20:56 | 読書雑記 | Comments(0)

狸ビール

伊藤 礼 (著)
★★☆☆☆

伊藤礼じいさんの本は3冊目です。自転車モノの2冊に比べると伊藤節の炸裂がちょっと少なかったのが残念。

銃での猟についての本は初めてだったので、その世界が少し覗けてちょっと面白かったが、やはり猟の本ならワナ猟で猪などを捕まえる模様を描いた『ぼくは猟師になった』(千松 信也 (著))が圧巻。
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by furomikan | 2010-06-26 20:43 | 読書雑記 | Comments(0)

マイナス・ゼロ

広瀬 正 (著)
★★★★★
内容(「BOOK」データベースより)
1945年の東京。空襲のさなか、浜田少年は息絶えようとする隣人の「先生」から奇妙な頼まれごとをする。18年後の今日、ここに来てほしい、というのだ。そして約束の日、約束の場所で彼が目にした不思議な機械―それは「先生」が密かに開発したタイムマシンだった。時を超え「昭和」の東京を旅する浜田が見たものは?失われた風景が鮮やかに甦る、早世の天才が遺したタイムトラベル小説の金字塔。

物語の面白さに加え、文章の巧さ・ニヒルさにしびれた。ストーリ展開だけでなく、タイムスリップした過去の時代で出会うカシラ一家との友情やそのころの時代の描写など、読んでいてニヤリとする箇所が多く、久しぶりに読書の喜びを感じさせてくれた本。

1970年に河出書房新社から刊行された当時の、40年前の初版本で読めたこともよかったのかも。
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by furomikan | 2010-06-20 12:10 | 読書雑記 | Comments(0)

柳家喬太郎 『井戸の茶碗』 @ TORII HALL

柳亭市馬・柳家喬太郎 二人会 @ TORII HALL

初めて読書記録以外の日記です。
『今おもしろい落語家ベスト50』で堂々の一位になっていた柳家喬太郎さんが気になって、同じ柳派の先輩の柳亭市馬さんとの二人会を千日前のトリイホールへ見に行った。大阪で年2回のペースで行われているこの会は今日で10回目という。

旭堂南青 豊臣七武将の茶会のネタ
柳家喬太郎 夜の慣用句
柳亭市馬 厩火事
~仲入り~
柳亭市馬 二人旅
柳家喬太郎 井戸の茶碗

柳家喬太郎さんの「夜の慣用句」はテレビやCD見た・聞いたことがあったので、できれば違うネタを希望していたが、まあそれなりに面白かった。ちょっと短めのバージョンだったのかな?

柳亭市馬さんの厩火事・二人旅は今思えば、二人旅の中でいつものように歌を気持ちよさそうに歌う師匠の顔以外は特に印象に残らなかった。この人は放っておくと人情噺の中でも歌うんじゃないかと思ってしまう。

トリの柳家喬太郎さんは古典ネタの「井戸の茶碗」。二人の潔癖な武士の間で翻弄される正直者のくず屋さんの「正直さ」に疑いの目を向けた師匠の視点が爆笑をもたらしてくれた。ベスト50で一位を獲る実力が垣間見られて非常によかった。

落語会の帰りに自転車で心斎橋の清水湯に寄り、気持ちよく汗を流したが、風呂上りの外は雨。びしょぬれで最悪。

さあ、そろそろサッカーW杯のオランダ戦に集中しよう。
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by furomikan | 2010-06-19 20:43 | 落語 | Comments(0)

生きるって人とつながることだ!

福島 智 (著)
★★☆☆☆

全盲ろう(全く目が見えず、全く耳が聞こえない)という重い障碍を持った東大教授の著者の短文集。
著者は盲ろうの状態を「静かな夜」と表現していたが、そんな生易しいものではないはずなのにそう表現できるのは生来の楽天的な性格のためだろうか。大学ではいろんな研究をされているようだが、「盲ろう児の言語獲得論」ではどのような手法を研究・開発しているんだろうか、非常に興味を持った。(本書に詳しく述べられていない。)
前著『渡辺荘の宇宙人―指点字で交信する日々』からの再録があるということはまえがきにも断りがあったが、それが随分多く、半分くらいは前に読んだ文のように感じた。
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by furomikan | 2010-06-13 15:16 | 読書雑記 | Comments(0)

時間のかかる読書―横光利一『機械』を巡る素晴らしきぐずぐず

宮沢 章夫 (著)
★★☆☆☆

横光利一の秀作短編についての評論を月刊誌に11年2ヵ月に亘って連載したものをまとめた本。
タイトルどおり、ぐずぐず、ぐだぐだと書き綴るという企画のみが面白く、内容は11年にも及んで書くようなものでも読むようなものでもない。
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by furomikan | 2010-06-12 17:29 | 読書雑記 | Comments(0)

阿呆者

車谷 長吉 (著)
★★☆☆☆

私の読んだ車谷長吉氏の2冊目の本。いろんな雑誌に寄稿された文章を寄せ集めた本故仕方がないかもしれないが、似たような文が何度もでてきてちょっとうんざりした。同じエピソードをいろんなところに書く車谷長吉氏が悪いのか、それとも編集者が悪いのか私にはわからないが。
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by furomikan | 2010-06-10 21:34 | 読書雑記 | Comments(0)

じてんしゃ日記

高千穂 遙 (著), 一本木 蛮 (著)
★★☆☆☆

マンガです。私のような初心者には参考になる情報がいくつか載っていた。しかし、マンガであるのに読みにくいのは何故だろう。
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by furomikan | 2010-06-07 21:11 | 読書雑記 | Comments(0)

落語を聴くなら 古今亭志ん朝を聴こう (落語ファン倶楽部新書1)

浜 美雪 (著)
★★☆☆☆

林家正蔵(元 こぶ平)や桂米團治(元 小米朝)、笑福亭鶴瓶、立川志の輔ほか現役の噺家たちが「落語界の永遠の太陽」である志ん朝師匠について語る。

本の狙いは非常に面白そうだったが読んでみたらあまり面白くなかった。恐らくムック本「落語ファン倶楽部」などで読んだことがある話が多かったからだと思うが、唯一、特別採録として最後に掲載されていた、今は故人となってしまった三遊亭円楽の志ん朝評の文章は意外とするどかった。

しかしそれを越えてこの本の一番の見所は巻頭に掲載されている操上和美氏撮影の志ん朝師匠の写真である。惚れ惚れするくらいカッコイイ。
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by furomikan | 2010-06-02 23:49 | 読書雑記 | Comments(0)