勝五郎の読書雑記

関ヶ原

司馬遼太郎 (著)
★★★★☆
内容(「BOOK」データベースより)
東西両軍の兵力じつに十数万、日本国内における古今最大の戦闘となったこの天下分け目の決戦の起因から終結までを克明に描きながら、己れとその一族の生き方を求めて苦闘した著名な戦国諸雄の人間像を浮彫りにする壮大な歴史絵巻。

(上) 秀吉の死によって傾きはじめた豊臣政権を簒奪するために家康はいかなる謀略をめぐらし、豊家安泰を守ろうとする石田三成はいかに戦ったのか。

(中) 秀吉の死後、天下は騒然となった。太閤の最信任を獲得した能吏三成は主君の遺命をひたすら堅守したが、加藤清正、福島正則ら戦場一途の武将たちは三成を憎んで追放せんとする。周到な謀略によって豊家乗っ取りにかかった家康は、次々と反三成派を篭絡しつつ、上杉景勝討伐の途上、野州小山の軍議において、秀頼の命を奉ずる諸将を、一挙に徳川家の私兵へと転換させてしまう。

(下) 天下取りの見果てぬ夢を追い求めて関ヶ原盆地に群れ集った十数万の戦国将兵たち…。老獪、緻密な家康の策謀は、三成の率いる西軍の陣営をどのように崩壊させたか?両雄の権謀の渦の中で、戦国将兵たちはいかにして明日の天下に命運をつなぎ、また亡び去ったのか?戦闘俯瞰図とも言うべき雄大な描写の中に、決戦に臨む武将たちの人間像とその盛衰を描く、波瀾の完結編。

この物語の主人公は石田三成と徳川家康。
前作「新史 太閤記」の秀吉と比べると二人とも役者が小さいためか、物語のできも少し小粒である。
特に19万石の三成は物語が進むにしたがってその小ささというか悲しさを増していき、終盤の描かれ方がせつなすぎる。薩摩の島津惟新入道義弘を怒らせる(呆れさせる)場面は読んでいるこちらが気恥ずかしく申し訳ない気分になるくらい無様で哀しい。
それに引き換え、島左近や大谷刑部の清々しさはシビれる。(大谷吉継の首の逸話も泣かせる。)
でも司馬遼太郎は三成を突き放しっぱなしにはせずに、最後、黒田如水に語らせて三成の面目を保たせている。
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by furomikan | 2015-11-01 21:36 | 読書雑記 | Comments(0)