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勝五郎の読書雑記

トチの木の1年

太田威 (著)
★★★☆☆
縄文人もその実を食べ、利用していたトチの木。著者の太田威さんは、山形県鶴岡の大山地区に居を構えて、地元山形や東北地方の自然写真を撮り続けてきました。なかでも特に、朝日連峰のトチ林や近年「ラムサール条約」に登録された大山の上池・下池などの自然の姿はもちろんのこと、そこにやってくる渡り鳥などの動物や昆虫、またそれらと人の暮らしのつながりにも目を配りながら、30年にもわたって写真で記録してきました。
この本は、そういう地道な取材を重ねてきた太田さんならではの、貴重な写真が数多く使われています。カタクリの花咲く早春から雪に埋もれる冬まで、トチ林の四季と人々の暮らしを追いながら、美しい写真と文で、トチの木と人との関わりを、子どもたちに語りかけます。

トチの木の花から取れるハチミツ(トチ蜜)のことや、イワナやマスをトチの葉と藁で包んで保存食の新巻にすること、石臼で挽いたトチの実ともち米を搗いてトチ餅を作ることなどが紹介されていた。
縄文の時代から人間にとって大切な木であったことがよく分かった。
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by furomikan | 2014-08-17 23:59 | 読書雑記