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勝五郎の読書雑記

ギッちょん

山下澄人 (著)
★★☆☆☆
内容紹介
著者・山下澄人は北海道などを拠点に活動を続けてきた劇作家、演出家、兼俳優。その劇を観に通っていた編集者のすすめで書いた小説『緑のさる』(平凡社)で昨年末に野間文芸新人賞を受賞した注目の書き手です。今回の作品集の表題作「ギッちょん」は第147回芥川賞候補作にもなりました。
「ギッちょん」は、ある男の一生が、時系列をシャッフルして語られます。腕白な少年時代、荒れた十代、放浪の青春時代、ホームレスになった四十代、清掃業に就き静かに死を待つ晩年の情景が次々にたちあがってきて、次第に胸がしめつけられるような心持になります。
「水の音しかしない」は、サラリーマンの不条理劇のようにはじまりながら、やがて読者は大震災後の混沌とした世界に連れて行かれていることに気付きます。
「トゥンブクトゥ」では、街の雑踏で交差していた老若男女さまざまな人々の思惑が、やがて暴力的なものに変容し、決着をつけるかのように、皆が海辺へと向かいます。読むたびに変貌をとげるこの作品群は、小説の新たな地平を切り拓くことになるでしょう。

図書館で予約した『緑のさる』が来る前に、先に読もうと思って借りた本。
何故か新聞の書評欄で読んだ時も、図書館のwebページで借りる時も、実際に借りて読み始めてからも、本の題名を「ギョッちゃん」と思っていた。

親の病気・親の氏・貧困・ホームレス・暴力・セックス・自分の病気・自分の死・無意味・混乱・倒錯。
久しぶりに読んでいて不快になる本だった。
「ギョッちゃん」なら題名だけでもよかったのに。
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by furomikan | 2013-05-21 21:57 | 読書雑記