すべて真夜中の恋人たち
★★★☆☆
内容説明
<真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。
それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、いつか三束さんが言ったことを、わたしはこの真夜中を歩きながら思い出している。>
入江冬子、34歳のフリー校閲者。人づきあいが苦手な彼女の唯一の趣味は、誕生日に真夜中の街を散歩すること。友人といえるのは、仕事で付き合いのある出版社の校閲社員、石川聖のみ。ひっそりと静かに生きていた彼女は、ある日カルチャーセンターで58歳の男性、三束さんと出会う・・・。
あまりにも純粋な言葉が、光とともに降り注ぐ。
いま、ここにしか存在しない恋愛の究極を問う衝撃作。
主人公の入江冬子があんまり魅力的に描かれていないのはまあいいとして、その主人公が心惹かれる三束さんという男性がこれまた全く魅力的で無く、「何でや?」と感じたが、主人公とその友人石川聖とのスリリングな会話が少し楽しめた。
小説家というのは心の内面のことをいろいろと書き綴っていくのが仕事とはいえ、よくもまあこんなにたくさんの量の内面を職人のようにいろんな例えを駆使して書けるなと感心した。