勝五郎の読書雑記

海嶺

三浦 綾子 (著)
★★★★☆
内容(「BOOK」データベースより)
知多半島にある小野浦から、千石船宝順丸が出航したのは天保三年(1832年)のことであった。乗組員は船頭、重右衛門、舵取岩松、そして炊の久吉、音吉ら十四名である。だが彼らは江戸にむかう途中、遠州灘ではげしい嵐にあい難破してしまう。一年二か月後、奇蹟的に生き残った豪胆な岩松、明朗活発な久吉、優しい心の音吉の三人は北アメリカに漂着する。が、彼らには想像を越えた数奇な運命が待っていた!生きていくことは何かを問う、魂を揺さぶる時代巨編。

今年の1月に実施した「関西てくてく銭湯」の此花ツアーの下見の時に立ち寄った此花区の鴉宮。そこで祀られていた船玉様(航海の安全を守る神様)を見た時に同行の松本さんがこの本を紹介してくれた。

三浦綾子さんの本は30年くらい前に読んだ「塩狩峠」以来。
実話を元にしているとはいえ、かなりフィクションの部分も多い。しかしそれ故この小説の登場人物がすごく魅力的に描かれていて読んでいて実に楽しい。特に北米に流れ着いた3人のうちの年長者岩松(後に岩吉)がかなり渋い。もう一人、私と同じ名前である炊頭の勝五郎もいい味を出している。また「舵取りさん」「舵取りさん」と岩松を呼ぶ主人公の音吉もかわいい。

強烈に面白い漂流小説、吉村昭氏の「漂流」と比べると、この海嶺では次のような違いがある。
 (1) 食料がある
 (2) 遭難した人数が多い
 (3) 外国に流れ着く(キリスト教との関わりがある)
 (4) (結末) ※具体的には書かない

しかしなんとも切ない話である。
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by furomikan | 2012-03-25 20:20 | 読書雑記 | Comments(0)