勝五郎の読書雑記

センス・オブ・ワンダー

Rachel Carson (原著), 上遠 恵子 (訳), 森本 二太郎 (写真)
★★★☆☆
Amazon.co.jpによる内容紹介
化学薬品による環境汚染にいち早く警鐘を鳴らした書として、いまも多くの人々に読み継がれている名著がある。『沈黙の春』だ。その著者レイチェル・カーソンの遺作として、彼女の友人たちによって出版されたのが本書である。
本書で描かれているのは、レイチェルが毎年、夏の数か月を過ごしたメーン州の海岸と森である。その美しい海岸と森を、彼女は彼女の姪の息子である幼いロジャーと探索し、雨を吸い込んだ地衣類の感触を楽しみ、星空を眺め、鳥の声や風の音に耳をすませた。その情景とそれら自然にふれたロジャーの反応を、詩情豊かな筆致でつづっている。鳥の渡りや潮の満ち干、春を待つ固いつぼみが持つ美と神秘、そして、自然が繰り返すリフレインが、いかに私たちを癒してくれるのかを、レイチェルは静かにやさしく語りかけている。
そして、レイチェルが最も伝えたかったのは、すべての子どもが生まれながらに持っている「センス・オブ・ワンダー」、つまり「神秘さや不思議さに目を見はる感性」を、いつまでも失わないでほしいという願いだった。そのために必要なことは、「わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる」ことだという。本文中に挿入されているメーン州の海辺、森、植物などをとらえた写真も美しい。『沈黙の春』と同様、読者の魂を揺さぶらずにはおかない1冊である。(清水英孝)

レイチェルカーソンが夜空に輝く無数の星を見たときについての記述。

  わたしはそのとき、もし、このながめが一世紀に一回か、
  あるいは人間の一生のうちにたった一回しか見られないものだとしたら、
  この小さな岬は見物人であふれてしまうだろうと考えていました。
  けれども、実際には、同じような光景は毎年何十回も見ることができます。
  そして、そこに住む人々は頭上の美しさを気にもとめません。
  見ようと思えばほとんど毎晩見ることができるために、
  おそらく一度も見ることがないのです。

これを読んで植村直己の言葉を思い出した。

  君たちに僕の考えを話そう。
  僕らが子どもの時に目に映る世界は新鮮で全てが新しかった。
  やりたいことは何でもできた。
  ところが年をとってくると疲れてくる。
  人々はあきらめ、みんな落ち着いてしまう。
  世界の美しさを見ようとしなくなってしまう。
  大部分の人たちが夢を失っていくんだよ。
  僕はいつまでも子どもの心を失わずにこの世を生きようとしてきた。
  不思議なもの、すべての美しいものを見るために、
  子どもの純粋な魂を持ち続けることが大切なんだ。
  いいかい、君たちはやろうと思えばなんでもできるんだ。
  僕と別れた後もそのことを思い出してほしい。

ついでに、久保田麻琴が歌った井上ケン一作詞の「チャイナタウンブルース」の一節も思い出した。

  西も東も 南も北も
  どこへも行けるさ いつでも
  行こうとさえ 思えば

この2つの言葉は私が心の中でとても大切にしているものだが、ちょっと手の離れそうなところに行っていたのでこれを機会に引き戻し、レイチェルカーソンの言葉も覚えておこうと思った。
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by furomikan | 2012-02-19 21:06 | 読書雑記 | Comments(0)