勝五郎の読書雑記

落語のひみつ

桂 平治 (著), 大友 浩 (著), 阿部伸二 (イラスト)
★★★☆☆
著者からのコメント
初心者向けの本で、とにかくわかりやすく書くことを心がけました。
けれども内容は、入門書の範疇を超えた深みのあるものになっている......と自負しています。楽しくサラッと読めて、落語のことが深く学べる、なおかつ、実際に落語に接するときに秘かに力になる、そういうことを考えて作りました。
少し具体的に紹介しますと、この本では「前座修業」「協会」「寄席」に焦点を当てた落語論を展開しています。実はこの三つは「三位一体」で、そのことを理解すれば落語への理解が深くなるはず......というのが私の持論です。このことは今まで、ほとんど(というか、私の知る限りでは全く)語られたことはありませんでした。
著者・大友浩氏より

これを読んで「大工調べ」で与太郎が滞納した家賃の「一両二分と八百」がいくらかということを具体的に考えてみた。

小判一枚 = 一両 = 一分金4枚 = 一朱金16枚 = 銅銭4000枚(4000文)
銅銭1枚は一文であり、「一両二分と八百」の八百というのは銅銭800枚のこと、つまり一両の5分の1である。
ここまではこの本に書いてあった。

一文が現在のいくらかは分からないが、落語に出てくる二八蕎麦が一杯16文であり、現在の立ち食いのかけ蕎麦が一杯200円とすると、一文は12.5円となる。(そうすると一両は50,000円)
「一両二分と八百」のうちの「一両二分」は銭にすると6,000文、と「八百」はもちろん800文で、合計6,800文。
これに12.5をかけると85,000円。
かけ蕎麦を一杯300円と考えると、1.5倍の127,500円。これじゃあ因業大家も怒る。

かけ蕎麦一杯200円と考えて、落語で出てくるいろいろな金額を今のお金に換算してみよ。
「一文笛」の笛は一文で12円50銭。
「雛鍔」でオハッサイの若様が庭で拾ったのも銅銭1枚の一文で12円50銭。
「鼠穴」の竹二郎が兄(アニ)さんからもらった三文は37円50銭。たったの。
「芝浜」(桂三木助)の勝五郎がちゅーちゅーたこかいなと数えた82両は410万円。当分遊んで暮らしたくなるね。
「柳田格之進」で柳田格之進が盗んだとされたのが50両で250万円。
「文七元結」の文七が左官の長兵衛に投げつけられたのも50両の250万円。そらオカミさんが夜通し怒るのも当たり前。
「帯久」の和泉屋与兵衛が”売れず屋”の帯屋久七に最初に貸した20両は100万円で、最後に貸した100両は500万円。
「お神酒徳利」で出てくるのは75両(375万円)に30両(150万円)、5両(25万円)、300両(1,500万円)と景気が良い。
「崇徳院」の熊五郎が親旦那から約束してもらった褒美も300両と蔵付きの借家五軒とそれまでの借金棒引き。
「千両みかん」の夏の蜜柑は1個千両でこれはなんと5,000万円!

「火焔太鼓」の甚兵衛さんが仕入れてきた太鼓は一分で12,500円。
最初この噺を聞いた時、この一分はせいぜい1,000円くらいのものと勝手に思っていたが、今思うと甚兵衛さん12,500円もだして、オカミさんにドヤされるような太鼓をよー買ってきたもんやな・・・。
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by furomikan | 2012-02-18 19:59 | 読書雑記 | Comments(0)