勝五郎の読書雑記

斉藤湯(東京都荒川区東日暮里)

仕事を終えてまっすぐに向かったのが日暮里の斉藤湯
ここに「日本最後の三助」がいるということをついこの9月に知ったのでこの機会に行かなアカンと思い一昨日行ってきた。
d0188185_2158129.jpg
「日暮里」の文字がいい。
日暮里にあることが自慢であると宣言している。
d0188185_21591312.jpg
通常の入浴料の450円の他に流しの費用400円の合計850円を支払うとこういう札を渡される。
これを手にしただけでちょっと嬉しい。
d0188185_229862.jpg

フロントのおっちゃんに「流しを頼まれる人は多いんですか?」と聞くと
「今ね、ちょうど一人やってもらってるから、ちょうどいいですよ」とおっちゃん。
でも私は「ゆっくりと入ってから流しをしてもらいたいので、だいたい1時間後くらいにしてもらえますか?」というと、
少しケゲンな表情してから「じゃあ中に入ってから直接バントウさんに言ってください」と言った。
「え?バントウさん?バントウさんって流しのおっちゃんのことです?」
「そう、三助さんのこと」
「へ~、バントウさんって言うんですか?」
「うん、名前はタチバナさんて言うんですけどね、バントウさん」
と言った直後、男湯の中に入って行かれた。
直接伝えるように言われたが、おっちゃん、わざわざ伝えにいってくれたんやと思い、やっと脱衣場へ。

このブログにいろんな写真を載せようという考えがあるのでお風呂屋さんに入っても神経が休まらないのがとても悲しい。
必死でこういう写真を撮っているケナゲな私。
d0188185_2255258.jpg
バントウさんの絵も掛かっていた。
d0188185_2254439.jpg
d0188185_22133957.jpg
インターネットなどで調べるとこの銭湯の建物自体はレトロでもなんでもないとのことだったので、流しの体験以外は何も期待はしていなかったが、フト見るとすごく立派な庭があることに気づいた。
あとでここで読書をしようと考え、本とメガネを脱衣場の隅に置いておく。

そんな準備を怠りなく済ませてからやっと浴室へ入り、富士山のペンキ絵のない壁を見ながらしみじみと湯船に浸かった。
正面の壁は小さな色タイルで構成された長方形を基本にしたモダンな幾何学模様だった。
洗い場の方を向くとまだ三助のおっちゃんがお客さんにマッサージをしている。
わりかし長い。とても気持ちよさそうだ。でも俺はまだすぐにはやらないぞと思いながら、熱くなってきたので湯船を出て体をザッと拭いてさっき見た脱衣場の庭に向かった。
d0188185_2254090.jpg
ここで本を取り出して読む嬉しさを一人で噛みしめる。
肌寒くなってまた湯船に浸かろうと浴室へ戻るとバントウさんが順番が来たので始めようという。
「いや、まだ僕、ちょっとゆっくりしてからの方がいいので、あと20分ぐらいしてからお願いします」
「あっ、そう?」
「後でもいいですか?」
「ハイハイ、じゃああとでね」
と、それから再び湯に浸かってからまた庭で読書。
(さっきの風呂屋のおっちゃんは何をしに男湯に入っていかれたのだろう。)

小さな池には鯉が泳いでいて、長椅子の下には鯉のエサが入った筒。
読書をしていると脱衣場にいる客が私を呼んでいる。その人はバントウさんが私を探しているのを見て声を掛けてくれたようだ。

そろそろ流しをやって欲しいなと思っていたので丁度良かった。
でも体が冷えていたのでもう一度湯に浸かってからサービスを受けたいと思ったがバントウさんを待たせて悪かったという思いがあるのでカランの前の用意されたイスに座った。
大ベテランのバントウさんは優しい。
「一回湯にお入んなさいよ」と私の心を見透かすように湯船を勧めてくれた。
ワクワクしながらゆったりと湯に浸かっていたが、またもやバントウさんを待たせていることに気づいた。

とうとうやってきた生まれて初めての流しの体験。
私の石鹸を使って泡立てたタオルで背中・頸・腕を丁寧に洗ってくれる。
何度も洗ってくれたあとに大きなタライに満たしておいたお湯でザザーッと泡を流してくれた。
それから肩にタオルをかけて今度はマッサージ。頸・肩・背中・腕・指を順番に何度も何度も繰り返して揉みほぐしてくれる。
いつも肩が凝っているので本当はもっと強めに揉んで欲しいが、大ベテランのバントウさんに注文などようしなかった。
頼りない強さだと思いつつも、10分ほどマッサージをしてもらううちにゆったりとアホ顔になりうっすらと肩コリも解消されてきた感じになる。
いろいろと話しを聞きたかったが面倒くさい客の相手をさせるのも気が引け、丁重にお礼を言ってバントウさんのサービスを終えた。
いつまでもご活躍を。
※バントウさんは2013年末に引退され、日本の銭湯の三助さんは絶滅となった。(2014年1月追記)
d0188185_6543381.jpg

先に洗っていた頭・顔とバントウさんに洗ってもらた部分以外の残りの体を洗い、最後に再びゆったりした気分で深く熱い湯に浸かり上がる。
脱衣場を出てフロントに行くとおっちゃんから今度はオカミさんに代わっていた。
今日はこの銭湯に入るのを楽しみに大阪からやって来たことやバントウさんの流しを受けられて嬉しかったことを伝えた。
「お客さん、さっき電話してこられた方?」
「そうです。もしもお風呂が開いてても、流しが受けられなかったら残念なので・・・」
それから「バントウさん」というのは手代・番頭のあの「番頭」であることを質問・確認した。
流しのサービスを受けるのは男性10名に対して女性が3名くらいの割合であることも聞き、意外と女性がこのサービスを受ける割合が多いことに驚く。
再度お礼を言って自動ドアから出た。
d0188185_0492248.jpg
それからも変わった傘入れや暖簾の裏側の写真をもたもたと撮っているとさっきのオカミさんが出てこられて、斉藤湯のネームの入った桃色のタオルをひとつお土産にくれた。
d0188185_0535729.jpg

オカミさんの親切に驚き、またタオル一枚もらっただけで大人がこんなに大喜び出来るものかと自分に呆れつつ斉藤湯を出た。
d0188185_0534365.jpg

この日は先日一緒に伊豆自転車旅行に行った友達にも会って飲み、実に楽しい一日だった。

明日11/25(金)は朝8時からBS-TBSで「銭湯日和」という番組が放映される。
今朝は一昨日入った燕湯の富士のペンキ絵の話題で、明日は斉藤湯の番頭さんが出てくるだろう。
さらに京都銭湯界の重鎮林宏樹氏も登場するようだ。
[PR]
by furomikan | 2011-11-24 21:40 | 銭湯 | Comments(3)
Commented by yudouraku at 2011-11-25 07:40
おはようございます。

私も来月から、東京出張がありますので
「三助さん」体験をしたいなぁ~と思っていたんですよ。
情報ありがとうございます。
参考にさせていただきます。
Commented by furomikan at 2011-11-25 22:20
北河内さん、毎度です。
お風呂が好きな人には絶対にお勧めしたい銭湯です!
Commented at 2012-02-17 12:13 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。