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勝五郎の読書雑記

風呂屋の富士山

町田 忍 (著), 大竹 誠 (著)
★★★☆☆
内容(「BOOK」データベースより)
なぜ銭湯には絵があるのか。“あの絵”は一体、いつからあるのか。誰がどのようにして描いているのか。日本人の生活にどんな影響があるのか。ご町内のポップ・アート、浴場背景画の魅力をあらゆる角度から検証した初めての本。カラー写真多数使用。

1994年前に出版された本書では浴場背景画を描く現役絵師が5人以上紹介されていたが、今はもう日本に2人くらいしか絵師はいないそうだ。

「浴場背景画ドキュメント」という章では約4時間半で男湯・女湯の背景画を描いていく作業の流れを分単位で「実況ドキュメント」している。あんなデカイ絵をたったの4時間半で描くなんて凄い。上から描いていき、脚立を使わない低い位置で描く段には緊張が薄れるためか鼻歌まじりで作業をするというちょっとしたエピソードが面白い。

男湯と女湯、どちらから描いていくかについては、絵師により「左側から」とか「時間が押して、銭湯の営業時間にかかっても描き続けられるように女湯を先に済ませる」とかいろいろあるという。営業が始まって、まだ絵師が絵を描いているような場面に出くわせたら嬉しいやろな。

今日は東住吉区の銭湯で東京の絵師がやってきて公開で作業をするというイベントがあるので、行ってこ来よう。
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by furomikan | 2011-11-13 09:30 | 読書雑記