勝五郎の読書雑記

地球最北に生きる日本人―イヌイット大島育雄との旅

武田 剛 (著)
★★★★☆
内容(「BOOK」データベースより)
北極に魅せられ、35年前にグリーンランドにうつり住んだ日本人イヌイットがいた―!氷上を犬ぞりで走る狩猟の旅で、新聞カメラマンが見た地球温暖化の現実とは…。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
武田 剛
1967年生まれ。立教大学文学部卒で山岳部OB。1992年朝日新聞入社。富山支局、東京本社写真部などを経て編集委員。2003年末から1年4ヶ月間、45次南極観測隊に同行取材。帰国後、地球環境をテーマに取材を続け、2006年にグリーンランド、2007年にネパールヒマラヤ、2008年に北極圏カナダ、2009年にアフリカ・チャド湖を取材。その他、2001年から2002年に内戦終結後のアフガニスタン、2003年にイラク戦争を取材した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

子供向けの本。
大島育雄さんが1972年、25歳で登山の事前調査のため地球最北の村グリーンランドの「シオラパルク」に入った時、北極点遠征準備をしていた植村直己氏も同じ村に滞在しており、2人は小さな小屋で暮らしながら犬ぞりや狩猟方法を村人に教えてもらっていたという。植村直己氏はその12年後マッキンリーで遭難するが、大島育雄さんはそのままその村で結婚し5人の子どもを設けて現在のイヌイットとして生きている。

著者が2006年5月に初めて大島育雄さんを訪ねて1ヵ月弱ともに過ごしたあとのお別れの際、大島さん以外の村人はだれも姿を見せなかった。著者はなんと薄情な人たちと一瞬感じたらしいが、「もともと移動しながら狩猟をしてきたイヌイットはいつも別れと出会いばかりで、別れは特別なことではない、だからいちいち見送ったりしない」という大島さんの説明を聞き安心したという話が面白かった。その後大島さんも「それじゃ、さいなら」と実にアッサリと去っていったらしい。

スノーモービルではなく今でもずっと犬ぞりを使っている理由や、絶対に余計な獲物(アザラシやトナカイなど)を獲らない話など面白いエピソードがたくさんあった。
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by furomikan | 2011-10-08 11:49 | 読書雑記 | Comments(0)